読書記録

本は距離と目方

ショックドクトリン:惨事便乗型資本主義の正体を暴く

『ショックドクトリン:惨事便乗型資本主義の正体を暴く』

ナオミ・クライン著、幾島幸子訳、岩波書店、2011

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(2024年5月)

この書籍のことは知っていながらも読むには至っていませんでした。調べ物をしていてこの本が出てきたので手に取って、上下巻の内容を把握する程度にざっと斜め読みしました。

私は図書館で借りて読むのが苦手で普段は本は買って読むのですが、今回はその調べ物のため約10年ぶり図書館で10冊ほど借りてきた中の上下巻の2冊です。図書館が苦手なのは、大人しくしていなければいけなかったり、ルールに従った手続きが必要だったり、何より返さなければいけないプレッシャーが理由です。本を読むのくらい自由でいたいからです。

ミルトン・フリードマン新自由主義アメリカやイギリスの帝国主義など、それら名前が付けられている政治と経済の癒着、一部の権力者の欲望がままの政策を批判しています。今のウクライナロシアの戦争、イスラエルによるパレスチナの侵略と虐殺に共通するものがあり読んでて頭が痛くなります。アメリカの「国防権限法」の「国家非常事態」が起きた時の付帯条項が悪用されたのですが、いま日本で議論されている「緊急事態条項」が同じようなものではないかと思えます。

そして、フリードマンは資本主義と自由が等しいと考えていたけれど、自由な国では彼の考えに従う政治家が不人気で、独裁政権自由至上主義が受け入れられたとありました。そこで気づいたのは、BRICSの成長に影響を及ぼしていたのではないかと。独裁的な権力や自由主義を悪用さえしなければ、短期間で成長させる効果はあるのかもしれません。そしてBRICSの成長にもかかわっているのかもしれません。