読書記録

本は距離と目方

仕事が忙しくなった

忙しくても積読リストは伸びない

少し前から仕事が忙しくなりました。仕事では頭を使ってPCで作業をすることが多いからか、最近はDIY的なことをやりたくなります。頭が疲れているので週末に時間があってもなかなか本を読む気分になれません。

忙しくなることがわかったとき、恐ろしく大量の本を読んでいる知り合いと話したときこんな会話をしました。

知「忙しくなったら本を読む時間が無くなるね、さらに積読が積み上がるのかも」

私「読みたい本を見つける時間も無くなるので大丈夫です、問題ないです」

何が大丈夫なのか、問題がないわけないのです。積読がどうあれそもそも本を読む時間がなくなるのだから。

片道24時間の旅

その前に休暇を取れるタイミングがあったので小笠原の父島へ行きました。東京から約1,000kmの島に飛行場はありません。フェリーで片道24時間。これでも前の船から1.5時間早くなったのです。前回行った時は25時間半かかっていました。(正確には父島も東京です。車は品川ナンバーです。)

友人には24時間も何をしているのかと聞かれるけれど、暇を持て余すことなんて全くありません。竹芝桟橋を出て、流れる風景をデッキで眺めると、品川から横浜、木更津方面、三浦半島をすぎると東京湾を出ます。ちょっと昼寝をした後には伊豆諸島が見られます。そのくらいから本を読み始めるのですが、360度海しか見えなく、足元の乗っている船しか人工物がなくて、何時間進んでも景色が変わらない、あの感覚はどう表現したらいいのでしょう。驚きとかワクワクする感じではない、でもしがらみがなく自由で時間も無限、偉大なことはできなくても、好きなことは何でもできそうな感じ。白紙のキャンバスの前に立つ画家はこういう気持ちになるのでしょうか。

初日の夜には、持ち込んだ『赤と青のガウン』を読み終えました。連載記事を集めたエッセイ集なので隙間時間に読むのによいだろうと思い、船上の貸し書籍に寄付をしました。そのあとは読みかけの『ギリシャ人の物語』の第1巻を再開しました。1週間の滞在中は本を読む暇なんてなく海で遊んでいましたが、復路でちょうど東京に着くころに読み終えました。

普通の週末の1日とは違う、なんと効率の良い過ごし方なんでしょう。同じ24時間のはずなのに、普段は雑音が多すぎです。こんな貴重な24時間はなかなかありません。