『生命式』
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読んだ:2024年5月
友人が、中学2年生の息子さんが読んでいるのを借りて読んだと聞き、私も読み始めてみました。星新一やマーガレット・アトウッドの『侍女の物語』を思い出す、短編のサイエンスフィクション風な小説。よくわからないけれどわからないことも含めて文学作品です。
短編の『素敵な素材』を読んで、やっぱり今でも私には文学は向いていないのかもしれないと思いました。人毛を使った服や人の骨や歯を使った家具が出てくるけれど、これは人口の数パーセントしか使われないか何世代も使えるほど長持ちさせなければ、生産と消費のバランスが成り立たないだろうと思った。こういう価値観が大多数だという設定だし、高級ではあるけれどちょっと贅沢すれば買えるという描き方なので、供給が足りないはずではないかと疑問に思うと、読んでいて何も納得しないし面白みを感じられませんでした。まさか残忍な帝国主義で外から調達するというストーリーでもなさそうですし。過度な動物愛護や環境保護を揶揄している小説だと思うけれど、やっぱり私にはSF風味な物語は向いていないのでしょう。科学的裏付けにもとづいたフィクションがSFでしょうから、この作品はファンタジー小説と呼べるのかもしれません。
別にわざわざ計算したつもりはないけれど、読んでいると「材料、足りる?」って思ってしまうのです。